[アップデート] Amazon DataZone ユーザーサブスクリプション料金が廃止になり使用量ベースの課金へ
AWS事業本部コンサルティング部の石川です。Amazon DataZone の料金体系が大きく変更されユーザーサブスクリプション料金が廃止されました。本日、新旧の料金体系の詳細とその影響について解説します。
料金体系の変更点
Amazon DataZone の新しい料金体系では、ユーザーサブスクリプション料金が廃止されました。また、各利用費に対してボリュームディスカウントが設定されました。そのため、ほとんどの利用者にとってコスト削減が期待でき、特に利用者が多いユースケースでは大幅なコスト削減が見込めます。
変更の詳細について、従来と新しいの価格体系についてそれぞれまとめました。
従来の価格体系
従来の料金体系は以下のとおりです。
ユーザー料金
- 最初の500人のユーザー: 1ユーザーあたり月額9.00 USD
- 次の500人のユーザー (501〜1,000人目): 1ユーザーあたり月額8.10 USD
- 1,001人目以降のユーザー: 1ユーザーあたり月額7.20 USD
メタデータストレージ
- 各ユーザーに20 MBのメタデータストレージが含まれます
- 含まれる量を超えた場合、1 GBあたり0.417 USDが課金されます
リクエスト
- 各ユーザーに月4,000件のリクエストが含まれます
- 含まれる量を超えた場合、100,000件のリクエストあたり10 USDが課金されます
コンピューティング
- 各ユーザーに0.2コンピューティングユニットが含まれます
- 含まれる量を超えた場合、コンピューティングユニットあたり1.776 USDが課金されます
レコメンデーション
- 入力トークン: 1,000トークンあたり0.015 USD
- 出力トークン: 1,000トークンあたり0.075 USD
無料トライアル
- 最初の3か月間は最大50人のユーザーが無料で利用可能です
新しい価格体系
Amazon DataZoneの新しい料金体系(2024/11/09現在)は以下のようになりました。
ユーザー料金
2024年11月1日以降、Amazon DataZoneの月額ユーザーベースのサブスクリプション料金はなくなりました。
メタデータストレージ
-
各アカウントに20 MBのメタデータストレージが無料で含まれます。(変更なし)
-
含まれる量を超えた場合、従来と同様にストレージ料金が課金されますが、ボリュームディスカウントが適用されます。
メタデータ ストレージ (請求月あたりのアカウントあたり) | 発生した料金 (請求月) | 価格 | 説明 |
---|---|---|---|
20MB | 0ドル | 20 MB の無料使用後、1 GB あたり 0.4 ドル | 請求月には20MBのストレージが無料です |
100MB | 0.03125ドル | (同上) | 発生した料金 = (100 MB - 20 MB) x $0.4/1024MB = $0.03125 |
1 GB (1024 MB) | 0.39ドル | (同上) | 発生した料金 = (1024 MB - 20 MB) x $0.4/1024MB = $0.39 |
リクエスト
- 各アカウントに月4,000件のリクエストが無料で含まれます。(変更なし)
- 含まれる量を超えた場合、従来と同様にリクエスト料金が課金されますが、ボリュームディスカウントが適用されます。
リクエスト数 (請求月あたりのアカウントあたり) | 発生した料金 (請求月) | 価格 | 説明 |
---|---|---|---|
4,000 | 0ドル | 4,000 回の無料使用後、100,000 件のリクエストごとに 10 ドル | 請求月の最初の 4,000 件のリクエストは無料です |
10,000 | 0.60ドル | (同上) | 発生した料金 = (10,000 - 4,000) x $10/100,000 = $0.6 |
100,000 | 9.60ドル | (同上) | 発生した料金 = (100,000 - 4,000) x $10/100,000 = $9.6 |
コンピューティング
- 各アカウントに0.2コンピューティングユニットが無料で含まれます。(変更なし)
- 含まれる量を超えた場合、従来と同様にコンピューティング料金が課金されますが、ボリュームディスカウントが適用されます。
コンピューティング ユニット (請求月あたりのアカウントあたり) | 発生した料金 (請求月) | 価格 | 説明 |
---|---|---|---|
0.2 | 0ドル | 0.2 コンピューティング ユニットの無料使用後、コンピューティング ユニットあたり 0.1776 ドル | 請求月ごとに 0.2 コンピューティング ユニットが無料 |
1 | 1.42ドル | (同上) | 発生した料金 = (1 - 0.2 MB) x $1.776 = $1.42 |
10 | 17.40ドル | (同上) | 発生した料金 = (10 - 0.2 MB) x $1.776 = $17.4 |
レコメンデーション
- 入力トークン: 1,000トークンあたり0.015 USD (変更なし)
- 出力トークン: 1,000トークンあたり0.075 USD (変更なし)
無料利用枠
「最初の3か月間」という制限はなくなりました。
月々の制限まで無料で使用できるため、料金の発生を心配することなく Amazon DataZone の機能を試すことができます。Amazon DataZone ドメインを作成するアカウントごとに、20 MB のメタデータストレージ、4,000 件の API リクエスト、0.2 件のコンピューティングユニットが無料で提供されます。請求月内にアカウントがこれらの無料使用制限を超えた場合にのみ、Amazon DataZone の標準の従量課金料金が請求されます。さらに、CreateDomain、CreateProject、Search などの主要なユーザーエクスペリエンスを強化する特定のコア API は無料で提供され、4,000 件の無料 API リクエストにはカウントされません。
変更の影響
この料金体系の変更は、Amazon DataZone の利用者に影響をもたらすと考えられます。
コスト削減
特に大規模な組織では、「ユーザー料金」の固定料金の撤廃により大幅なコスト削減が期待できます。
柔軟な利用
使用量ベースの課金により、コストを考慮せずにユーザーの追加が可能になり、必要な分だけ利用できるようになります。
積極な技術検証やPoCの実施
Amazon DataZone の機能を無料で試用し、データマネジメントとデータガバナンスの可能性を探ることができます。
最後に
この料金体系の変更により、初期コストの負担が軽減され、より多くのユースケースに対応します。データマネジメントとデータガバナンスの重要性が高まる中、より多くの企業がAmazon DataZoneを採用する可能性が高まるでしょう。
Amazon DataZoneの新しい料金体系は、ユーザーにとってより柔軟でコスト効率の良いサービスとなりました。使用量ベースの課金への移行は、多くの企業にとって歓迎すべき変更であり、データ管理の効率化とコスト最適化に貢献することが期待されます。この変更を機に、自社のデータ戦略を見直し、Amazon DataZoneの活用を検討してみてはいかがでしょうか。